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世界の名匠が見た『TOKYO!』 完成記念記者会見 |
すごくオススメ
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文書番号:6645 |
2008-07-08 10:52 |
(左から)ポン・ジュノ監督、香川照之、蒼井優、藤谷文子、加瀬亮
今年の晩夏、東京・渋谷のシネマライズ、シネ・リーブル池袋にて世界先行公開される映画『TOKYO!』の完成記念記者会見が2日、東京・渋谷のセルリアンタワー東急ホテルにて行われ、『殺人の追憶』』『グエムル~漢江の怪物~』で知られ、本作でも監督を務めたポン・ジュノ、主要キャストの香川照之、蒼井優、藤谷文子、加瀬亮が登場した。
『TOKYO!』は世界を代表する映画監督として知られるミシェル・ゴンドリー(『エターナル・サンシャイン』『恋愛睡眠のすすめ』)、レオス・カラックス(『ポーラX』『ポンヌフの恋人』)、ポン・ジュノ(『殺人の追憶』『グエムル~漢江の怪物~』)の3人が見た東京を描いた「東京三部作」。香川照之、蒼井優ら、日本映画界を代表する豪華な俳優陣が出演した話題作だ。
以下、会見の主な内容。
ポン・ジュノ監督:東京には何度も来たことがありますが、こうして作品を撮ってから来るといつもとは違う感じがして、今すごく不思議な感じがしています。
Q.3名の監督が「東京」を舞台に映画を撮るという企画を聞いたときの感想は?
ポン・ジュノ監督:世界の都市の中でも、東京には本当によく来ています。東京については様々な印象を持っていました。例えてみると、高校生の時に近所に住んでいる女子高生に興味や関心を抱いているのだけど、なかなか声を掛けられないというような感じで、今回、東京を舞台にした映画を撮ってみて、その女子高生に初めて声を掛けられたという気持ちです。非常にワクワクした気持ちで撮影に臨めました。
また、他の二人の監督も、東京を舞台にした映画を撮ったということで、どんな作品を撮ったのだろうと、観客のような気持ちになれました。
香川照之:最初、この企画を聞いたときから、タイトル通り(東京)の場所で、このような会見を迎えるところまできたんだなと感無量です。僕が世界中で一番会いたかった、一緒に仕事がしたかった方とこうしてこの場に居られて、「隣にいる監督の存在が本当なのかな」という不思議な感じで、1作品ポン・ジュノという男と仕事ができたという事が、自分にとって財産になったと感じています。
蒼井優:私からすれば、香川照之さんとお仕事ができるなんて本当に夢のようなことで、それに加えて大好きなポン・ジュノ監督が現場に居て、私が撮影現場に居たのは1週間位ですが、香川照之さん、ポン・ジュノ監督が目の前に居て、そこに自分が居ることが信じられなくて、あっという間に過ぎてしまった1週間でした。出来上がった作品を見て、ポン・ジュノ監督とスクリプター(※撮影の進行を記録する人)の方以外は、日本のスタッフさんでしたが、皆さんの熱というか、やる気が本当に詰まった作品に仕上がっていて、幸せな気持ちになりました。なるべく多くの方に見てもらい楽しんで欲しいと思います。
藤谷文子:私は、この企画を初めて聞いたとき、なんてクレイジーな企画なんだろうと思いました(笑)。また、自分が関わらなくても見に行くだろうなと思ったのですが、実際に共演したいと思っていた役者さんと、ミシェル・ゴンドリー監督の作品で共演できたことがすごくうれしかったです。今日こうしてここに来てみて、蒼井さんや香川さんがいらっしゃって、ポン・ジュノ監督はカンヌでご一緒させていただいて、3人の監督が一緒に居る姿を見て、自分がこの作品に関われたことの幸福さを実感しました。そんな感じです(笑)。
加瀬亮:今回は、1人だけでも凄いと思える監督が3人も集まって、こんなにワクワクする企画を立ち上げて、そこに参加する事ができただけでも、本当にうれしく思っています。出来上がった作品は、本当に奇妙で面白い作品になっているので、ぜひ皆さんにも見ていただきたいと思っています。今日はよろしくお願いします。
Q.監督自ら香川さん、蒼井さんの出演を熱望していたとのことですが、実際に演出されてみてお二人の印象はどうでしたか?
ポン・ジュノ監督:今回の作品では、「引きこもり」が主人公となっていますが、シナリオを書く段階から、傷つきやすく、繊細な演技を表現する引きこもりの役には香川さんしかいないと考えていました。西川美和監督の『ゆれる』を見て、完全に香川さんに惚れ込んでいました。また、台本の中では、香川さんの役を根底から揺り動かす存在が必要でしたが、その役には、蒼井優さんしかいないだろうと考えていました。お二人と一緒にこの映画を撮りたいと思って、シネリオを書く時にもお二人を念頭に置いて書いていました。
お二人とご一緒できて本当に幸せでしたが、唯一良くなかったことは、私は日本に来て孤独な作業をしたかったのです。映画でも寂しさや孤独を扱っているので、日本に来て孤独な作業をするためにもオール日本人スタッフで撮影したのですが、撮影が始まると役者やスタッフの皆さんと、とても親しくなって孤独を感じる時がなかったです。特に、香川さんとは意気投合して、盛り上がってしまったので全く孤独を感じさせて貰えませんでした(笑)。
Q.蒼井優さんの出演作品で印象に残っているものは?
ポン・ジュノ監督:蒼井さんについては、最初に見た作品が『リリィ・シュシュのすべて』で、最新作の『フラガール』や『ハチミツとクローバー』までのほとんど全ての作品を見ていました。韓国では、私だけでなく大勢の映画監督や、映画ファンにとても人気のある女優さんです。最近、印象的だった作品が『鉄コン筋クリート』という蒼井さんが声優として出演されている作品ですが、これがとても印象的でした。実際に、今回一緒に映画を撮れることになってとても不思議な感じがしました。また、韓国にいる私の多くの同僚や、先輩、後輩の監督たちからは嫉妬の視線を投げ掛けられました(笑)。
アフレコ(映像に合わせて、台詞のみを録音すること)で蒼井さんがソウルに来ている時には、そのチャンスを狙って韓国の多くの監督たちが蒼井さんに会おうとして、録音室に訪問しようとしていたのですが、全員に来られても大変なので、嘘の日程を教えて結局、誰も蒼井さんに会えませんでした(笑)。
Q.実際に、ポン・ジュノ監督と仕事をしてみての感想は?
香川照之:日本で、日本の監督と仕事をする場合は、「このことは話さない方が良いかな?」とか、「この事は言葉を選んだ方が良いかな?」という日本人同士特有の“何を話すか”ではなくて、“何を話さないか”という事を優先して考えてしまいますが、ポン・ジュノ監督との場合は、本当に(一緒にできるのが)今しかないという気持ちで、これまでに監督が撮った作品の裏話や、「あのシーンはどうやって撮ったのか?」とか、ソン・ガンホさんの演技について聞くのが先決で、芝居どころじゃないという感じでした(笑)。ただ、撮影中はミリ単位の演技を要求されたり、大きな事も求められたりと、ジェットコースターに乗っているような気分でした(笑)。本当は話したいことが山ほどあるのですが…個別で取材して下さい(笑)。
蒼井優:スタッフの皆さんも香川さんと一緒で、ポン監督とお仕事できるのは今しかないから、自分の出せる力を全て出そうという気持ちが、どのカットにも出ていて、照明2時間待ちということもよくあったのですが、監督は一切急かすこともなくじっと待っていて、映画を作るための情熱が本当に熱いと感じた現場でした。…質問は何でしたっけ。(思い出したように)ポン監督と共演して…もう夢みたいでした。あとは個別で(笑)。
Q.ミシェル・ゴンドリー作品に出演してみての感想は?
藤谷文子:ずっとカメラが回っていたという印象で、役者が現場にいると監督からカメラを回せという指示が出るので、スタッフに遠慮してあまり必要以上に現場に居ないようにしていました(笑)。何度も同じ芝居をくり返したり、2つのシーンを続けて撮影して1シーンにしたりと、色々なことを試して撮影しているうちに、不思議と余計な緊張感がドンドン抜けていく感じがしました。…あとは個別で(笑)。
加瀬亮:ミシェル・ゴンドリー組はとにかく大変です(笑)。今日も本当は監督が居るはずだったんですけど…居ないですね(笑)。基本的に、予定していることがなく朝からカメラが回りっぱなしで、その時思いついたアイデアを、通訳さんが訳してくれるんですが、通訳さんが訳しているうちに、監督が新しいアイディアを出すので、全く指示がまとまらないという感じでした。それでも、わがままでもありつつ、とても可愛らしい監督だと思いました。僕が演じた役は、ある意味監督の投影だと思っていたので、そういうところを活かして演じました。
続いて記者からの質疑応答。
Q.最初に脚本を読んだ時の感想と映画のテーマは?
香川照之:台本はナレーションやト書きばかりで、監督は昔マンガ家を目指していたほど、絵心がある方なので、ほとんど全てのカットを絵コンテにして、それを台本として使っていました。あと、お話をいただいた時に、先程ポン監督も「引きこもり」をやらせたら日本一だろうとおっしゃってましたが、「加瀬がいるだろう!」と思っていました(笑)。しかし、同じ企画で出演すると聞いて「じゃあ、俺が引きこもろう」と思ったのが最初の感想です(笑)。テーマは、この映画の最後は、蒼井優さんが映っている画面が揺れて終わるのですが、あの揺れが、東京には地震があるということも含めていて、なおかつ、お互いの心の揺れであると解釈していて、そういう意味でラストカットが揺れているのが僕は凄く好きで、あそこがこの作品のテーマというか、“男女の揺れが、何よりも強い揺れ”なのだと感じていました。
Q.今回の作品で、香川さんは蒼井さんに恋をする役を演じているが、歳の離れた恋愛についてどう思いますか?
香川照之:僕も、5年位前から自分の歳を忘れてしまっている感覚なので、“歳の差”というものがよく分からないでいます。ポン監督同様、僕も蒼井さんの出演作は昔から見ていて、自分なりに想像はしていたのですが、現場で初めて目が合った時に、魅入られると言いますか、柔らかいオーラが出るんですね。(蒼井優と自分の席の間を指して)多分、ここら辺に座れば分かると思うんですけど(場内笑)。
現場でも、その柔らかさを感じると、もう何も考えなくてよくて…僕もどこか「引きこもり」な体質があって人の目が怖かったりすることがあるのですが、蒼井さんの目というのは凄く自然に見ることができたので、ポン監督もそういったところに魅入られたのかなと感じました。
蒼井優:とても特殊な役だったので、恋とかは意識しなくて、台本を読んだ時に、あまり理解できる状態の女性ではないなと感じたので、見ている方にも、共感とかはされないようなキャラクターにするように演じました。香川さんと共演させていただいて、凄くパワーをもらいながら演じられたし、久しぶりにお芝居って面白いなと思いながらお仕事させていただきました。
Q.なぜ「引きこもり」を主人公にしたのか?韓国でも「引きこもり」は話題なのか?
ポン・ジュノ監督:「引きこもり」という言葉は昔から知っていました。韓国で日本についてのニュースが流れる時に聞いていたと思うんですけど、今回、映画で社会現象としての「引きこもり」を扱いたかったのではなく、東京という街をイメージした時に、東京という都市よりも、東京に居る人々に何か独特な印象があるという感じを受けました。全世界どこの都市でも、都市は寂しさや孤独があるように感じます。また、色々な映画でも都市の孤独というものはテーマに扱われたりしますが、東京には東京ならではの独特な寂しさや空気感があると感じていました。例えば、電車の中の光景であったり、一人で食堂に入って蕎麦やラーメンを食べている人の後ろ姿だったりにです。
東京の人々から受ける印象というのが、間違いなく寂しそうに見えるのに、寂しくないふりをしているような感じで、お互いに自分たちは寂しくないから、干渉するのを止めようと身構えているような印象を受けました。もちろん私の勝手な思い込みなのかもしれませんが、その印象に興味を持って、そういった寂しい印象を極端に表現しようとした時に、「引きこもり」を主人公にしようと考えました。
同時に、私個人の中にも「引きこもり」的な要素があり、家の外に出たくないという感情があり、昔、長い間家の中にずっと居たことがありました。
Q.ミシェル・ゴンドリー監督から役作りについて何か具体的に指示はありましたか?また、脚本を読んでの感想は?
加瀬亮:特に監督からは事前の指示はなく、撮影中に思いついた指示がドンドン入ってくる感じでした。本番直前に、「ジェームズ・ブラウンの曲を歌ってくれ」と指示され歌っていると、突然、「曲の使用金が発生するから、もう少し何の曲か分からないように歌ってくれ」と指示され、下手に歌っていると「それじゃあ、何の曲だか分からないので、もう少し上手く歌ってくれ」と、事細かに指示が入ることもあったので、あまり自分でコントロールが出来ませんでした(笑)。
また、ポン・ジュノ監督の『TOKYO!<シェイキング東京>』を拝見しましたが、香川さんの「引きこもり」の演技は世界一だと思いました(笑)。
藤谷文子:監督とは事前に打ち合わせたりしたこともありましたが、やはり、撮影現場でアイデアがドンドン出てくるので、撮影している中で、ドンドン変わっていくという感じでした。脚本を読んでみて不思議なお話だと思ったんですが、演じたキャラクターには感情移入しやすかったので、楽しんで演じられました。
Q.演じた役についてと、どういった所が監督の投影に感じられましたか?また、自分が演じた役についてどう思いましたか?
藤谷文子:加瀬さんが演じた役が監督ご自身なのだろうなと感じていたのですが、出来上がったものを見てみたら、私が演じた役もミシェルだったのではないかなと感じました。多分、私はミシェルの幼少期で、加瀬さんは今のミシェルなんじゃないかなと話してたんだ…よね?(加瀬さんを見ながら)。
加瀬亮:衣装合わせの時に、色んな衣装を着て監督の前に立ったのですが、監督からOKが出る衣装は、ことごとく監督とそっくりで(笑)、「あぁ、なるほどな」と感じました。
Q.夢に見ていた監督と仕事をしてみて、驚いたことなど何かありましたか?
蒼井優:現場には、監督の奥さんとお子さんが居て、父親としての表情を見れたことですね。あと、監督が話す日本語の台詞がとても流暢(りゅうちょう)であったことや、台詞を突然関西弁にしてみたいとおっしゃったり、頭の柔軟さには驚かされました。あとは、香川さんが全部話してくれると思います(笑)。
香川照之:加瀬さんと藤谷さんが、ミシェルの驚き話をするので、うちの監督も負けてないんだぞというところを話したいと思います。
この物語の骨になる主人公が11年ぶりに外へ出るというシーンで、どうしても晴れなければいけないという設定で、晴れを4日も待っていたんですが、その撮影現場に山下淳弘監督(『天然コケッコー』『リンダ リンダ リンダ』)がいらっしゃっていて、ポン監督が「日本では、こういう時は曇りでも(撮影の都合上)撮らなければいけないのか?」と質問したところ、山下監督が「僕は、そういう面倒になりそうな設定(天気待ちが必要になるようなシーン)は書かないようにしています」と言っていたのが印象的でした(笑)。そうして、4日目にようやく晴れたんですが、そのシーンは、ステディカムを使って長回しで歩いているところを撮るシーンで、ポン監督はそのシーンを撮ることを一番楽しみにしてきたとおっしゃっていて、「このシーンを撮るために、私は日本に来た。ドキュメンタリー的なシーンなので、香川さんの好きにやって欲しい」と指示されたのですが、天気が晴れたり、曇ったりということで、NGを出せないというプレッシャーがありました。監督、スタッフとじっくり打ち合わせて、カメラの動きも決めて、いざ撮ろうという時に、監督が近付いてきて、今まで打ち合わせた内容と全く違う演出内容を僕に耳打ちしてきたんです(笑)。
「あそこの影に、自転車が隠してある。そして、その自転車はもう何年も使われてなく、蔦だらけになっている。自転車の鍵を、近くに隠してあるから自分で見つけて欲しい。電車で出かけることにするのか、自転車で出かけることにするのか、それは任せます。ただ、必ず自転車を使おうとする動きは入れて欲しい。このことは他のスタッフにも言っていないから」という指示を受け、緊張しながら演じましたが、スタッフ一同は私のアドリブだと思っていたと思います(笑)。そういった突然の指示などが、演じる側にとっても面白く印象的でした。
Q.そうした香川さんへの突然の演技指導には何か理由があったのですか?
ポン・ジュノ監督:映画を撮っている中で、私は役者たちのことが好きですし、役者たちのことも、とても信頼しています。ただ、映画を撮っている中である時点になると、役者の演じるキャラクターへの理解度が、監督を超える時が来るのです。もちろん、最初は監督が役者よりもキャラクターについて理解していると思いますが、実際に自分で体を使って演技をしている役者は、あるタイミングになると監督よりもキャラクターについて理解していくと思います。その時が来ると、演技については役者に全て任せて、こちらからは、「今度は、こういう感じで演じて下さい」とお願いするようになります。
香川さんにも、色々とこちらからお願いして、色々なパターンの演技をしてもらいました。蒼井さんにも、台本にはない突然の演出をして、指が切断されたように見せるマジックのシーンがありますが、メイクルームに居た蒼井さんに突然お願いしたところ、慌てた様子を見せながらも、すぐに一生懸命練習をしている蒼井さんを見てありがたいと感じました。実際に、映画でそのシーンを見たときに、蒼井さんの指が切れているように見えて、本当に凄い女優さんだなと思いました。
今回、香川さん、蒼井さんと仕事をしてみて、先程もお話した通り、監督よりも役者たちの方が、キャラクターについて理解しているんだなと再確認しました。
Q.ご自身にとっての「東京」とは?
加瀬亮:これだけ世界各国の人々が出入りしている国はないと思います。また、そうした人の出入りによって起きる風通しの良さを感じられて、なおかつ刺激的な都市だと思います。
藤谷文子:心地良い場所だと思いますし、色んな表情があるので、その時の気分に合わせて愉しむことのできる不思議な街で、一人になりたい時には隠れ蓑にもなる大好きな街です。
蒼井優:私は福岡出身なので、休む所は福岡ですが、東京は素敵なものや、好きな人たちや憧れる人がたくさんいて、そういう人たちがいる中で深呼吸させてもらっている場所だと思っています。色んなものを吸って、でも、やはりお仕事をする場所なので、得たものを吐くということの繰り返しをさせてもらっている場所だと思います。
香川照之:僕は、ずっと住んできた街なので帰る場所だと思います。家のような存在です。
ポン・ジュノ監督:撮影期間中に、世田谷区の用賀に住んでいたんです。渋谷にスタッフルームがあって、用賀から田園都市線で通っていたのを覚えています。2カ月間、東京で生活したことが不思議な思い出として残っています。昨夜、少し時間があって用賀の行きつけだったお店に行ったのですが、お店のスタッフが私を覚えていて下さって、美味しい夕食をいただきました。東京は、私にとって海外の都市ではなく、住んだことのある生活をした都市で、非常に愛着を感じます。
世界的に知られる名匠たちを、日本を代表する役者陣が迎えた『TOKYO!』は晩夏、渋谷・シネマライズ、シネ・リーブル池袋にて世界先行公開されます!
(※上映順)
1.『TOKYO!<インテリア・デザイン>』
監督:ミシェル・ゴンドリー
原作:ガブリエル・ベル(Gabrielle Bell) 「CECIL AND JORDAN IN NEW YORK」
脚本:ミシェル・ゴンドリー、ガブリエル・ベル
出演者:藤谷文子、加瀬亮、伊藤歩、大森南朋 他
2.『TOKYO!<メルド>』
監督・脚本:レオス・カラックス
出演者:ドゥニ・ラヴァン 他
3.『TOKYO!<シェイキング東京>』
監督・脚本:ポン・ジュノ
出演者:香川照之、蒼井優、竹中直人 他
公式サイト:http://www.tokyo-movie.jp
~取材を終えて~
今月12日から公開されるソ・ジソブ出演『ゲゲゲの鬼太郎 千年呪い歌』と同様に、「日韓」、またその他の国の才能が結集した作品が完成しました。韓流ブームの流れを受けて、韓国の映画も日本では一つのジャンルとなりましたが、それから数年が経ち、こうした合作が出てきたことが、今後のアジア映画界にどういった影響を及ぼすのか楽しみです。また、日本では名優として知られる香川照之さん、蒼井優さんからも、ポン・ジュノ監督への敬意が感じられ、具体的な作品名が出たことからも、ポン・ジュノ監督作品が日本の役者たちにも大変注目されているのだと感じました。『殺人の追憶』がまた見たくなりました(笑)。
文/撮影:高野(ブロコリ)
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