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 チュ･ジフン『キッチン ～3人のレシピ～』来日記者会見 |
 すごくオススメ
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| 文書番号：8081 |
2009-04-03 16:58 |
ドラマ「宮～Love in Palace」「魔王」を通じ、日本でも高い人気を集めている俳優チュ･ジフンが先月31日、自身の主演最新作となる映画『キッチン ～3人のレシピ～』の来日記者会見を都内で行った。
鮮やかな青のジャケットに白い細身のパンツ、黒のブーツという個性的なファッションに身を包んだチュ・ジフンに続き、パーマ頭で少女のようなイメージを漂わせるホン･ジヨン監督が登場。
「こんにちは、はじめまして。ホン･ジヨンです」と日本語であいさつし会場を沸かせた監督に続き、チュ・ジフンは「他の2人の主演俳優（シン・ミナ、キム・テウ）と一緒にこの場に来れなかったことはとても残念ですが、一人でも頑張ります」とコメント。和やかな雰囲気の中、会見がスタートした。
 Q： 映画化するまでの経緯は？
ホン･ジヨン監督：この映画を作るまでに5年の月日をかけて準備をしました。また、主演の3人の俳優をキャスティングするのに1年半かかりました。『キッチン』は一言で言えば、“三角恋愛”です。料理をする二人の男性が、普段は女性がいるキッチンで、様々な出来事を織り成していく愛のお話です。
私にとっては初めての長編映画でデビュー作だったため、思い入れも強いものがありましたが、何よりもチュ･ジフンさんをはじめとする素晴らしい3人の俳優が、それぞれの役柄に対して一生懸命演技をしてくれました。
もしかすると少し見慣れない愛の形かも知れませんが、新しい恋愛という形を映画の中で具現化できたのではないかと思います。
Q：『アンティーク ～西洋骨董洋菓子店～』と今回の『キッチン』では見事な演技でまったく別人になっていましたが、それぞれの役を演じるにあたって、何か意識したことはありますか？
チュ･ジフン：今回2作品が同時期に日本で公開されるということで一緒に持って来ましたが、同時に演技したわけではなかったので、何か意識したことは特にありませんでした。シナリオを見て、自分が感じたままに、また監督がどのようなメッセージを伝えたいのかを考えながら演じました。
Q：3人の出演者、それぞれの魅力は？
ホン･ジヨン監督：この映画を作るにあたって、それぞれの俳優がどう演じるかというよりも、3人の俳優の調和を何よりも大切にしました。まずチュ･ジフンさんの場合、初めてシナリオを読んだ時、シナリオの中に登場するドゥレという人物のせりふや行動が「自分自身の20代前半の頃ととても似ている」と最初のミーティングの際に言ってくれました。ですから一番たくさん話をしましたし、チュ･ジフンさんの方から色々なアドバイスを受けたりもしました。
シン･ミナさんは、彼女自身どちらかというと受け身の若い女優ですが、「魔王」でチュ･ジフンさんと共演したことがあり、今回2回目の共演ということで、チュ･ジフンさんが上手くリードしてくれました。もう一人のキム･テウさんですが、彼は本当に経験の豊富な俳優で、私が多く語る必要もなく、彼がしっかりシナリオを読んで大きな絵を頭の中に描いてくれていました。
私がこの映画を作るにあたり重点を置いたこととして、登場人物3人のうち、男性と女性、そして男性同士の2人ずつの関係が上手く繋ぎ合わされ、調和をなしていくということです。結果的に私は演出家としてそれができたのではないかと思います。
 Q：シナリオを読んだ時、かつての自分とそっくりだと感じたそうですが、そのあたりをもう少し詳しく教えてください。
チュ･ジフン：自分と似ていると感じた部分は、とても感情表現がストレートだったところです。ドゥレは日常の小さなことに色々な楽しみを見付けたり、小さな幸せを感じることができますが、そういった点も自分と似ていると思いました。シナリオを読んだ時、とても暖かい印象を受けて、個人的には昔の幸せだったひと時を思い出させてくれるような印象を受けました。この映画で起きている事件などは大きなことのように感じるかも知れませんが、日常の小さな出来事が描かれていて、幸せというのは大きなことではなく、日常の中で見つけられるということを改めて感じました。
Q：天才シェフを演じましたが、事前に料理の勉強はしましたか？また得意になった料理があればあわせて教えてください。
チュ･ジフン：どういうわけか、演じる役ごとに天才という名前が付きますが…。決して自分は天才ではありません（笑）。
正直、フランス料理というのは簡単にできる料理ではないので、料理を習う充分な時間はありませんでした。ですので、包丁さばきやシェフの手の動きを中心に習いましたね。もともと一人暮らしが長かったので料理は結構していたんですよ。でも料理をする時、手間がかかることとして、まずは材料選び、包丁さばき、そして最後に後片付けがありますので、どうしても避けてしまう傾向にあります。今回の撮影を通して包丁さばきは一つ解決されましたが、問題は後片付けですね（笑）。料理は韓国料理でしたら、大体のものは作れます。ちょっと科学調味料は使ってしまいますけど（笑）。
Q：いけない事をしているはずのドゥレがすごく説得力があって、自然に受け止められましたが、チュ･ジフンさんが一番共感できて、自然にリアルに演じられたシーンを教えてください。
チュ･ジフン：そうですね…。ある程度ドゥレは許される人物だったと思います。例えば、始めは知り合いの奥さんということを知らないで彼女と出会ってしまったわけですよね。もちろんこれはドゥレの立場からの意見ですけど（笑）。
あと共感できた部分は、映画というのは何かメッセージを伝えるために色んなドラマが作られています。監督にもお話しましたけど、人の心が動くのに何も理由はないですし、仕方がないことだと思いますね。
自然に演じられたシーン…。う～ん、そうですね…。まだ自分の演技に対して、ここでどうこうお話するのは難しいので、少し違うお答えになってしまうかもしれませが。監督とキャラクター作りにおいて一番重点的に話し合った部分として、ドゥレという人物は罪の意識を持ってはいけない、罪の意識を持たないようにしようとのことでした。彼は本当に純粋なキャラクターだということを前面に出すことで、キャラクターの正当性が得られるのではないかと監督が言っていましたし、自分もそう思いました。また、自分なりに努力をした点は、できる限り演技をしようという気持ちを持たないことでした。どう見えるかは観客の皆さんに判断していただきたいと思います。
ホン・ジヨン監督と終始会話を交わしながら、リラックスした表情で会見に臨んだチュ・ジフン。その彼が、パリからやってきた自由奔放な天才シェフを演じる映画『キッチン ～3人のレシピ～』は5月30日（土）よりシネカノン有楽町2丁目、ヒューマントラストシネマ文化村通り、新宿武蔵野館ほかにて全国で公開される。
文：佐々木（ブロコリ）／撮影：関島（ブロコリ）
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